「ねえ、聞いてんの?」


「うわあ!!!」


急に綺麗な顔が近づいて、声を上げるあたし。


途端に周囲から冷たい視線が送られる。



ーーーあ、ここ図書室でした。



「いい加減にしてね、小森ちゃん」



優しい口調とは違い、長澤くんの目は笑っていなくて。


「あ、ご、ごめんなさい……」



あたしは小さい体をますます小さくして俯いた。



さっきの佐々木くん、助けてくれたのかな?
いつも、ピンチのときに助けてくれる。



「洸太もどうかしてる」



「え?」



「小森ちゃんみたいなのに構うなんて」