大げさなところは10年前と何も変わってないけどな。 「……ところで、譲は元気?」 声色ひとつ変えず、彼女はグラスを拭きながら呟いた。 「全然元気だよ。相変わらずツンツンしてる」 「そう」 「会ってないの?」 何も言わない彼女に、その言葉を言った後、言わなければよかったかなと思った。 「……会ってくれないのよ」 「……そうなんだ」 「本当は洸太がここに足を運ぶこともよく思ってないみたい」