じゃあよろしくねー!助かるー!と女の子は笑顔であたしに手を振って、教室を出て行った。 ……ああ、なんで断れないんだろう。 あたしはおっとりしているからか、よく頼みごとをされる。 そして、断れないことをみんな知っている。 今だって、クラスメイトの掃除当番を代わったところだったんだけど。 「……はあ」 今日は愛菜ちゃんは塾だし、空くんは部活動でいなくて。 あたしは誰に頼ることもできず、ひとりで黙々と掃除をこなしていく。