「ふーうか!」


「ひゃあ!!」


自分の部屋で机に向かって勉強していたら、聴き慣れた声が近づいて。



気づいたときには後ろから抱きしめられていた。



「なに、勉強してんの?俺にも教えてよ」



耳元で聴こえるこの声は、あたしの大好きな人の声だ。



「ちょ!空くん離れてっ!!」



「ちぇ、いいじゃんちょっとくらい」



赤くなる顔を誤魔化すようにバタバタと体を動かして、なんとか体を離してもらう。


いつもいつも、あたしをドキドキさせるんだから。
……ああ、いつも心臓がもたないよ。