私に想いを寄せてくれている彼は、この面会を不快に思ったりしなかったかしら……


 「一番いい紅茶をお出しして」とエレンに言いつけ興奮冷めやらぬ様子の母。

 ウィルのことを思いながら、その様子をぼんやりと眺めているところで、マリーははっとした。

 彼は、堂々と会いに来る、と言っていた。

 それがどういうことなのか、今はまだわからない。

 けれど、彼が言うことはいつだって自分を驚かせるようなことばかりだった。

 それを思えば、次に彼に会う時には、何か特別なことがあるような気がしてならなかった。

 そうやって彼は、いつだってマリーの胸を熱くさせてくれる。

 彼を思うだけで、心が震える。

 ウィルに対して、他の誰とも違う特別な感情が芽生えたことを、次に会う時には必ず伝えようとマリーは固く心に誓った。



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