そう言いながら、ウィルはサファイアの瞳に感情的な炎を燃やす。


「他の誰かなんて見なくていい。君にはただ俺のことだけを思っていてほしい」


 玉の頬に優しく滑り込む綺麗な掌。

 風がふわりと通りすがったかと思ったとき、マリーの視界は、ウィルの憂い表情でいっぱいになった。

 少し瞼を伏せた長いまつげ。

 隙間から覗くサファイアの瞳にゆらりと何かが揺れたような気がした。

 ウィルの端整な顔立ちに、不意にときめきが攫われる。

 胸をきゅんと苦しくするマリーの口唇に、風に紛れて温かくて柔らかなものが掠める。

 陰っていた表情をマリーから離したウィルは、真っ直ぐなサファイアの瞳でマリーを覗き込んだ。


「愛しているよ、マリー。初めて会ったときから、君を」


 心に突き刺さるような愛の言葉に、マリーはたちまちに全身の熱を頬に集めかっと火照らせた。