ウィルが、王太子殿下……。
驚愕の事実に呆然とするマリー。
すると、ミケルがそっと近寄り、下級身分であるマリーの前にひざまずいた。
「マリーアンジュ様、お御足を」
片膝の上にえんじ色のクッションを置きマリーを見上げると、ミケルは柔らかな眼差しで微笑んだ。
「お手当いたしましょう。このままではマリーアンジュ様はもとより、ウィリアム様までお心を痛めたままでいらっしゃいますので」
王太子の側にいて彼の指図を受けるのなら、ミケルもまた王族の関係者で、マリーよりも遥かに位の高い身分のはずだ。
それなのに、マリーに対して敬意を払い、それでいてなぜかとても親近感がある。
まるでずっとマリーのことを見守ってくれていたかのような空気を感じるのは、気のせいだろうか。
「マリー、まず今は足の手当をしてもらってくれ。大丈夫だよ、ミケルは従順な側近だ。幼い頃よく怪我をしていた俺の世話をしてくれていて、手慣れているから」
マリーを怯えさせないようにいつも以上に優しく声をかけてくれるウィルを見上げると、いつもの柔らかな微笑みがマリーを見つめてくれていた。
驚愕の事実に呆然とするマリー。
すると、ミケルがそっと近寄り、下級身分であるマリーの前にひざまずいた。
「マリーアンジュ様、お御足を」
片膝の上にえんじ色のクッションを置きマリーを見上げると、ミケルは柔らかな眼差しで微笑んだ。
「お手当いたしましょう。このままではマリーアンジュ様はもとより、ウィリアム様までお心を痛めたままでいらっしゃいますので」
王太子の側にいて彼の指図を受けるのなら、ミケルもまた王族の関係者で、マリーよりも遥かに位の高い身分のはずだ。
それなのに、マリーに対して敬意を払い、それでいてなぜかとても親近感がある。
まるでずっとマリーのことを見守ってくれていたかのような空気を感じるのは、気のせいだろうか。
「マリー、まず今は足の手当をしてもらってくれ。大丈夫だよ、ミケルは従順な側近だ。幼い頃よく怪我をしていた俺の世話をしてくれていて、手慣れているから」
マリーを怯えさせないようにいつも以上に優しく声をかけてくれるウィルを見上げると、いつもの柔らかな微笑みがマリーを見つめてくれていた。
