『ただい・・・っ!?』






家に帰ると匂ってきたこの匂い。






何故かは分からないけど私は、瞬時に”血”の匂いだとわかった





リビングに行くとそこには・・・






血だらけの私のお父さんとお母さんがいた。






『っ!?お、父さん・・・?お母さ、ん?何で、何でこんなにち、血が・・・』







『み、美、玲(ミレイ)?ねぇ、こう、じさ、ん起き、て』






お母さんがお父さんの手を握った途端2人は光に包まれていた。






そして、2人は起き上がった。気が付くと血が無くなっていた。






『美玲、すまなかった。こんな事になってしまってでも、俺達はこんな事になっても美玲を守りたかったんだ。これだけはわかって欲しい』





守る?一体何から?






『今ここで全てを話したいけれど時間が足りないわ。だから美玲、知りたいなら異世界に行きなさい』






『・・・え?異世界?それに時間が足りないって・・・』






冗談でしょ?そう続けて言いたかったけど2人の真剣な顔を見て言えなかった。






『”我の名は菊坂 浩二。今ここでミレイにかけた封印を解除する”』





『”我の名は菊坂 麗奈。次元の鍵の封印を解除する”』






『これで美玲の魔力と記憶が戻っているはずだ』






『それと美玲、これを渡すわ。これを読んでこの後のどうするか決めなさい』





渡されたのは茶革の手帳。





『それじゃあ、私達は行くわね』






『元気でな、美玲』





『私達はずっと、ずっと』





『『美玲の幸せを望んでる』』





お父さんとお母さんは、だんだん薄くなっていて、今にも消えそうだった。






『ね、ねぇ、最、後にギュッとしていい?』






”最後”本当は言いたくない。





けど、これが本当に最後何だ・・・





『ふふっ、いいわよ。美玲ったら甘えん坊ね。ね、浩二さん』




『ああ、でもそこが愛おしい』





ギュッと互いに抱きしめた途端・・・





お父さんとお母さんは、光の粒になって消えてしまった・・・






『いや、消えないで、お父さん、お母さん!・・・
やだー!』