「おはざいまーす」


靴箱に何人か居る先生に気の抜けた挨拶をする


今日は月曜日


土日の休み明けというのもありダルい

土日の間は部屋の掃除をしたりテスト勉強をしたりなどあまり休めた気がしなかった

なんか色々と都合が重なり合って学校午前で終わらないかなぁ


そんな非現実的な事を考えながら靴を脱ぎ、靴箱に入れてある上履きと靴を入れ替え上履きを地面に置く


地面に置くというよりも半ば放り投げているようなものだけれど皆もやっているし別に不思議なことではない

皆やっているから大丈夫という気持ちそのものがいけないと分かっていても毎日の癖でついやってしまう

それよりも早く教室に上がってやり忘れていた宿題を済ませたいので上履きを履く


いつもならここでさっさと階段を上りに行くのだが、上履きを履いた時に違和感を感じた


なんか・・中に紙でも入っているようなクシャっとした感覚


このままでも困らないけど気になるので見てみる事にした


上履きを脱ぎ手を突っ込んでみると

ノートの切れ端が出てきた


それには文字が書かれており

小さくて私より綺麗な文字で


『好きです』


と一言書かれてあった


「・・・え?」


思わず声が出てしまった


慌てて周りに聞かれて居ないか見られていないか確認するがチラチラと「何やってんだこいつ」という視線が刺さるだけだった


いや、それも充分辛いけどね?!



ここで考えていても仕方がない


(新手のいじめなのだろうか・・それとも今私達のクラスで流行っている嘘告白的な?やばいよやばいよ)


私は某芸能人のモノマネを心の中でしながらノートの切れ端を落とさないようにしっかりと握りしめいつもより早足で教室に向かった