12時の鐘で消えた王子様








男の子は驚いてこちらを見た。




「えっ!あ、えっと、うみを見ていたんだよ。」




そんなことは見ればわかる。




「どうしてうみを見ているの?」




そう聞くと、男の子はより一層目を輝かせながら話した。




「きれいだからだよ!ほら、うみのずっととおくを見てみて!」




彼はそう言って指さした。