12時の鐘で消えた王子様









その時、王子は目を輝かせながら海の向こうを見ていた。




「……………………」




声が出なかった。




単純に、見とれていた。




海の色が良く似合うその男の子の目には、希望の光が満ち溢れていた。




ハッとして、声をかける。




「なにしてるの?」