12時の鐘で消えた王子様








「あのさ。」




不意に王子が声を出す。




「もっと、話しててもいい?」




「う、うん!!」




慌てて返事したため、声が裏返る。




「実は、時間割教えてほしいなんて嘘だったんだ。ただ、礼夢の声が聞きたかっただけ。」




それを聞いて、ドキッとする。




嘘……。




王子が私の声を聞きたいなんて……!