12時の鐘で消えた王子様








切れないように、すぐに応答ボタンをタップする。




「あ、礼夢?よかった。今度はちゃんと出てくれた。」




王子の声が……すぐそばに……!




「お、王子。どうしたの?」




「えっと、その……あ、明日の1限目ってなんだっけ?」




あ、なんだ。




明日の時間割を聞きたかっただけか。




そうだよね。




王子が私なんかの声聞きたくて電話するわけないよね。