ちょうど1ヶ月後には異動。

夕食を作りながらもため息が出る。

「どうした?体調悪い?」

彼が帰宅しつすぐに声をかけてくれた。

「ICUに異動だって」

大きなため息をついてしまう。

「ああ、それね」

「え?知ってるの?」

「うん、今日の外来診療が終わった後に杉山部長が落ち込んでたからどうしたのか聞いたら藤野の異動する話だった」

「そうか、管理職は看護部じゃなくても知ってるんだね」

「早目に外来の杉山部長の所に顔を出してやれよ」

「…わかった。
ねぇ、るー君は私が病棟が変わってもショックじゃないの?」

彼は呆れたように私を見た。

「ショックじゃないだろ。異動なんて当たり前だし。会えなくなるわけじゃないんだから」

そう言って、シャワーを浴びに行ってしまった。

「…そうだね」

彼の言っていることは正しい。
でも、少しは私の不安もわかって欲しかったな。

明日は専門書を買いに行ってこよう。
知識が足りなければ補うしかないんだから。