あげくのはてにはもう学校に来るなと言われる始末になっていた。


そんな加害者はどんどん増えていく一方で、クラスメイトや全校女子に加えて、なんと若葉のファンであった男子全員も若葉への嫌がらせの加害者になっているのだ。


なぜ若葉ファンの男子が嫌がらせに加わったのかはわからないけど、たぶん由良か秋帆のどちらかが若葉の悪口を言ったのだろう。


日に日に若葉への嫌がらせがエスカレートしていっているのにもかかわらず、私はいまだに彼らを止めることができずにいた。


若葉を助けたいという気持ちはあるのに、どうしてそれを行動に移すことができないのだろうか。


『ゔ、ゔぅっ……。だ、誰か……た、たす……けて……』


いつの日か、若葉が私のほうに手を伸ばして助けを求めていたことがあった。


だけどその手は囲んでいたクラスメイトに思いっきり踏みつけられてしまった。


若葉は『誰か』と言っていたけど、それは私のことを指していたのかもしれない。


若葉は必死に助けを求めていたのに、なぜ私はあのとき助けられなかったのだろう。


自分が嫌がらせのターゲットになるのが嫌だったから? それともこのままのほうが巻き込まれないで済むと思ったから?


理由はわからないけど、若葉に手を差しのべなかったのは事実だ。