誰も知らない彼女

もうこの世には存在しない由良たち5人が、満面の笑みで私を出迎えてくれるような姿が浮かんだ。


この世で見る最後の姿になるのはちょっぴりさびしい気はするけど、あの世へ行けば会えるだろう。


由良たち、もうすぐで私の魂は由良たちのいるところに飛んでいくよ。


「行きたい……」


誰も聞いていないであろうときにポツリと言葉を吐いた直後、全身がアスファルトに叩きつけられる感覚に襲われた。


もう終わりだな……。


本当に私は死んだんだ。


周りにいる人たちが私の姿に気づいてどこかへと連絡する姿が想像できる。


車に乗っている人が降りて、急いでこちらへ向かってくる姿も容易に想像できる。


大丈夫、そんなに心配しないで。


私が運ばれるときにはもう死んでるだろうから。


この場所にいるみんな、学校にいるみんな、そして私の家族。


永遠にさよなら……。


「私は……この世で生きたくない……」


全身を打って死んだはずなのになぜか声が無意識に出てくる。


早く天国に行きたいから、私の魂を空の向こうに飛ばして。


ピクピクと自分の体が痙攣を起こすのを感じつつ、自分の体が完全に動かなくなるのを待った。


しかし、こちらへ歩み寄る靴音が聞こえてくる。


助けないで。


「殺してあげよう」


誰かもわからない無慈悲な声が聞こえたあと、私の意識はブラックアウトした。