誰も知らない彼女

土の上に落ちている枯れ葉のじゅうたんの上に、悠くんの吐いた血がベットリとつく。


当然、刺した私の服にも返り血が付着する。


でも、悠くんの返り血を浴びても目立つ跡はつかなかった。


今着ているのは、血と同じような赤色のタートルネックのニット。


スカートにも血はついてしまったが、あとでコートを着るときに隠れるので問題はないだろう。


ナイフはいまだに悠くんの心臓に刺さっている。


どうしようかな、このナイフ。


楽にさせるために引っこ抜いてあげようかな。


少しずつ血を吐く悠くんの心臓に刺さっていたナイフを思いっきり引き抜くことにした。


すると、悠くんが目を開けて震わせながら私に手を伸ばしてきた。


「あ……あ……ま、ま……つり……」


苦しそうに助けを求める悠くん。


許さないよ。


だって、悠くんは私の好きな人をナイフで刺して殺したんだから。


磐波さんを殺したばつはちゃんと受けてもらわなくちゃね?


ふふっと笑い、伸ばしてきた手をナイフで切りつけた。


まさか私にそんなことをされるとは思っていなかったのか、悠くんはさらに目を見開いた。


私がそんな簡単に悠くんを助けると思った?


残念。私は大切な人を殺されたらその相手を許さない主義だからね。