誰も知らない彼女

信じたくはないけど、まさか……。


「お、同じ目に遭えばいいって、どういうこと? 私を殺したいっていうこと?」


まさかね。


若葉は、人を殺したという発言をクラスメイトの前でしたことが一度もないから。


お願い、私の悪い予感は当たらないで。


心の中で必死に祈る私を尻目に、若葉があっさりとこう言った。


「まぁ、簡潔に言えばそういうこと。今じゃだいぶマシになったかなと思ったけど、また殺人衝動が出てきちゃったみたい」


殺人衝動⁉︎


待って。ということは……。


「朝丘さん……もしかして、今までこの街で起きてた連続殺人事件って……」


「あぁ、もうわかっちゃった? まぁいっか。いずれ榎本さんには言っておこうと思ってたからさ」


なに、どういうこと?


彼女の突然の発言に頭がついていかなくなる。


若葉は私が言おうとした言葉を悟ったの?


でも、若葉がとらえた先の言葉は、私が言おうとした言葉とは違うのかもしれない。


さっき言った言葉の先のことを尋ねて、違うんだと思わせたい。


「あ、あの、朝丘さん、私が言いたいこと……わかってるの?」


「言いたいこと? なんとなくはね。私が連続して起こる殺人事件の真犯人かっていうことでしょ?」


間違ってなかった。