誰も知らない彼女

首をブンブンと横に振り、自分の行動を後悔する。


それと同時に、髪についた雪がパラパラと落ちていき、もう一度下に落下する。


髪についた雪の中にはもうすでに溶けて水に変化したものもあり、髪を振り乱すと水滴がポタッと雪のかたまりに穴を作って落ちた。


服やバッグにもついた雪を手で落とした直後、なにも言わずに若葉が私の隣にやってきた。


あまりにも突然のことだったので、びくっと肩を震わせた。


「あ……朝丘さん、なんでここにいるの?」


夜遅くに大通りを歩く女子高生はいないと思う。


ましてや、こんな寒い冬の日に。


べつにたいした用事がないなら、真っすぐ家に帰ったほうがいいと思うけど。


まつげに雪が乗ったのを感じながら心の中でそうつぶやくと、若葉はクスッと笑いはじめた。


「ふふっ。なんでかはもうわかってるんじゃない? だって学年一賢いでしょ? 頭がいいなら、私がここにいる理由くらいわかると思うけど。違う?」


ますます意味がわからなくなる。


そんなことを言われても、わからないものはわからないよ。


学年で一番頭がいいからって、クラスメイトの行動の理由を説明できるわけがない。


推理力と頭脳は関係ないと思う。


「ち、違うよ。わ、私は7時にここに来いっていうメッセージを送られたからここにいるの。あ、朝丘さん、よ、用事がないなら早く家に帰ったほうがいいよ?」