誰も知らない彼女

続いてリビングのほうに顔を覗かせる。


やはりネネの姿はない。


予想どおり、ネネは私が寝ている間に黙って帰ったようだ。


ネネが持ってきてた学校指定のカバンも消えているし、なにも残されていない。


そりゃあそうか。


寝させてと言われたら、止めるのはさすがに気がひけてその言葉に対応した行動をとる。


なんだか名残惜しい気もするけど、自分が起こしたことなのであまり後悔はない。


ふぅ、と息をつきながら近くにあったリモコンでテレビをつけた。


パッと色鮮やかな画面が見えた。


テレビ画面の中で女性アナウンサーが複雑そうな顔でニュースを読みあげている。


なにを言っているのかはわかるけど、それが耳を通り越してすぐに消えてしまう。


しかし、画面に文字が出てきた瞬間、私は思わずリモコンを落としてしまった。


「え……?」


なんで……嘘でしょ?


まさか、そんなことが……。


小さく左右に振る首がわずかに震えているような気がした。


ありえない。


こんなの、絶対に信じたくない。


目の前に映る画面に絶句する私をよそに、女性アナウンサーが流暢にニュースを読みあげていく。


『今日の午後3時ごろ、〇〇県〇〇市の〇〇町の大通りで女子高生が血まみれで倒れているのが発見されました。女子高生は病院に搬送されましたが、まもなく死亡が確認されました』