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窓の隙間から冷たい風が吹き込んでくる。
肌に触れるチクッと刺さるほどの風を感じたあと、私は起きあがった。
カーテンを閉めていない窓から見えるのは、雲ひとつない夜空。
冬にしてはめずらしく、雪は降っていない。
雪の代わりに、たくさんの小さな星が夜空を飾って照らしている。
その光景があまりにも美しかったため、かけていた毛布とかけ布団から足を出すのに数十秒もの時間を要した。
自室に来てから私はずっと寝ていたみたいで、昼間には頬に帯びていた熱が冷めている。
すっかり冷たくなった手の甲で触れてみれば熱が下がったことがわかる。
と、ここではっと気づいた。
学校から抜けだしてここに来たネネがまだいるのかどうかが気になった。
たぶん、もう家に帰っているだろう。
来てから数時間も人の家にいるわけがない。
冷たい風にぶるっと身震いをしたあと、少しだけ開いていた窓と完全に開いているカーテンを閉め、階段を下りる。
リビング以外の部屋の電気がついていなくて、一瞬だけ体を震わせた。
キッチンの電気をつけると視界に飛び込んできたのは、シンクに置かれたマグカップ。
私が自室で寝たあと、ネネが帰る前にマグカップをシンクに置いたんだ。
なるほど、と勝手に納得し、持ってきたもうひとつのマグカップをシンクに置く。



