誰も知らない彼女

やがて、どうせ自分がクラスメイトに嫌われるなら、嫌われる前に自分から身を引く。


そう思ったんだ。


前向きな言葉を忘れて捨てたわけじゃない。


自分のため、そしてネネや他のクラスメイトたちのためにも、私は離れるのだ。


こくんと首を縦に振った直後、ネネがガタンッと立ちあがって私に顔を近づけた。


あまりの勢いに思わず距離をとった。


「なんで……なんでそんなこと言うの⁉︎ 『私はもう二度と戻れない』って……そんなのわかるふうに言わないでよ! そんなの未来しかわからないじゃん! 抹里ちゃん、どうして私を突き放そうとするの? わけわかんないよ……」


涙とともに出てくる鼻水をすすって言葉を詰まらせながら叫ぶネネ。


私が言葉でネネを突き放すつもりだったことは理解したらしく、それに怒っているようだ。


こっちこそ、どうして?


そのセリフ、私が言いたいんだけど。


わかってくれないの……?


仲間だと思ってたネネが理解するどころか怒って突き放そうとする理由を求めてくる姿に、疑問が浮かびあがってくる。


同じグループの仲間だったらわかるでしょ、という気持ちがあらわになっていくみたいだ。


今抱いている気持ちが顔を出さないよう、スッと顔を下に向けた。


「ごめん。また熱で倒れるといけないから、もう休むね」