誰も知らない彼女

正義感なんてなくて、グループの中では目立つことができない哀れな私を許して。


私を本当の意味で仲間だと思ってるなら、ネネはわかってくれるはず。


これも優しさ。わかって。


ネネのことを仲間だと思っているから、私の気持ちを少しでも理解してくれるでしょ?


そう言いたかったが、これ以上自己中心的な発言を心の中でつぶやいているとネネに幻滅されそうだと思い、グッと我慢してこらえた。


握り拳をぷるぷると震わせながらネネの言葉を待っていると、ネネの目がさらにうるうるしているのが見えた。


「なんで……なんでそんなことを……」


気持ちをおさえることができなくなったのか、目から大粒の涙がポロポロとこぼれてきた。


悲しみからくる涙なのか。


それとも、怒りからくる涙なのか。


目の前に映るネネの顔は見えても、涙が表す感情はわからない。


だけど、これだけははっきりと言える。


「言わなくてもいいよ。ネネちゃんは自分のことだけに必死になればいい。私はもう二度と……もとに戻れないから」


もとに戻れない。


なぜネネにそんな言葉をぶつけたのか。


由良は、自分の言動がきっかけで同じグループのメンバーだった秋帆に追放された。


いつか私も、自分の言動でネネや他のクラスメイトから避けられるだろう。