誰も知らない彼女

自分たちの目で由良が狂った様子をしっかりと見ていたから。


クラスメイトたちは、狂う前の由良をただのクラスメイトだと思っていたはず。


それだけならまだいいけど、私の場合はちょっと違う。


高校に入ってできた親友だ。


少し過激な発言は過去にしたけども、一番の友達だったことに変わりはない。


心の底から大切だと思ってる親友がいなくなったと知ると、やはり胸がキュッとしめつけられるように痛くなる。


ネネは由良が姿を消したことに対してどんな思いを抱いているんだろう。


首をかしげて疑問に思ったと同時に、ネネがお茶をグビッと飲んで口を開けた。


「私、由良がいなくなったって聞いて、悲しくなったんだ。由良があんな言動をして秋帆に永久追放を告げられても、心のどこかではまだ由良を仲間だと思ってたのかな……」


意外だ。


てっきりネネは、由良を敵だと思っていた。


しかも私と似た感情だ。


自分たちのグループをはじかれた由良のことを、まだ仲間だと思っていた。


胸が苦しくなって痛くなるのは、その気持ちを抱いているせいでもあるのかもしれない。


そのことを他のクラスメイトに話したら、いったいどんな反応を見せるのだろうか。


「……そうだと思うよ」


「えっ?」


心の中で思っていた言葉が口から出ていた。