誰も知らない彼女

私が学校を休んでもふたりも様子はたいして変わらないだろう。


ネネにこんな質問するんじゃなかった。


はぁ、とため息をついた直後、頬が再び熱を帯びて熱くなるのを感じた。


それと同時に視界がカメラのピントが合わなくなったみたいにぼやけていく。


風邪の症状にまた襲われた私を見て、ネネが表情を変えて身を乗りだした。


「抹里ちゃん、大丈夫? 顔赤くなってるよ?」


「あ、あぁ、大丈夫だよ。ただの風邪だから」


両手を顔の前で振って軽い口調でそう言ったが、ネネの表情はまったく変わらなかった。


「……本当に?」


「本当だよ! ほら、体はまだこんなに動けるよ!」


心配するネネを軽くスルーして、腕を思いっきり上下に振ったり、立ちあがって足の上げ下げを繰り返したりした。


本当は大丈夫ではない。


頬はすごく熱いし、立ちあがったときにクラッとめまいに襲われた。


それでも元気に振る舞ったのは、これ以上ネネに心配をかけないようにするため。


ネネはグループの中で唯一頼れるメンバーだ。


だからこそ、ネネに頼ったらダメだ。


いつまでもわがままでネネに甘えてばかりいられるわけじゃないし、いつまでも子供のままではいられない。


風邪をひいても自分の信念を曲げることは絶対にしない。