誰も知らない彼女


☆☆☆

家に帰ったあと、私はすぐにお風呂に入り、パジャマに着替えて部屋のベッドでぼんやりとしていた。


なにをするでもない。


夕食を作ることも、スマホでゲームやチャットをすることも、布団にもぐり込むこともしない。


それはだるいという理由ではなく、ショックから抜け出せないでいるだけ。


スマホで通知を確認するけど、仲間からのメッセージは来ない。


ネネは私に気を遣っているのかと推測できるが、ネネ以外の他のメンバーがいったいどこでなにをしているのかわからない。


だけどそんなことは今はどうでもいい。


今の私は魂が抜けた抜け殻状態だ。


部屋を照らすまぶしい電球をチラッと見たとき、1階からインターホンの音がかすかに聞こえた。


誰だろう。


そんなことは思ってても、ベッドから体を動かすことはせず、意識を自分に戻す。


動く気になれない。動かす気になれない。


そういうふうに思ったのは、いつが最後だっただろう。


ぼんやりと遠くの景色を見るように向かい側にある壁を見つめていると、またしても下でインターホンの音がした。


なかなか出ない私に対する嫌がらせだと一瞬感じたが、こんな遅い時間に誰かが嫌がらせなどするわけがないと考え直し、重たい体を引きずってドア近くのモニターを操作する。