私たちのグループのメンバーが、徐々に豹変しつつある。


いっちゃんも登校拒否になってしまったし、秋帆も突然変わってしまった由良と少しずつ距離をおくようになった。


ポジションが変わっていないのは私とネネとえるだけ。


なんとかしなければ。


私は由良たちの周りで起こった奇妙な出来事に立ち向かっていかなければならない。


現実から目を背けて逃げていたら、永遠にもとのグループに戻すことができない。


もとのグループに戻せるのは私だけだ。


こくんとうなずいて、いつの間にかたどり着いた教室のドアを勢いよく開けた。


ガラッ!


いまだに意味のわからないことを言い続ける由良をスルーして中に入ると、ある一点の場所でひとりの女子が足蹴にされていた。


足蹴にされている子が誰かなんて、言わなくてもわかる。


まぎれもなく、朝丘若葉だ。


「ウゼェんだよ、お前! なんでそんな平気な顔で教室に来るんだよ! 気持ちわりぃな!」


今回の嫌がらせの主犯格らしい別の女子が声を荒らげる。


それを見た瞬間、由良が不敵な笑みを浮かべた。


「いるよね、朝丘みたいな女。ちょっと賢いからって調子に乗りすぎ〜」