まさか、視線の主が家の近くにいるの……⁉︎


おそるおそるうしろを振り向くが、そこにはいつもの風景が広がっているだけだった。


なにもない。


だけど、どこからか視線を感じる。


身震いをしてなにも言わない私に、由良が不思議そうに尋ねた。


『……抹里、どうしたの? さっきからなにも言わないけど……』


スマホ越しの由良の言葉で、やっとで我に返る。


「えっ、あ、いや……。今ちょっと、視線を感じたんだよね……」


『はぁ⁉︎ マジで⁉︎』


「うん……」


今の私の言葉を由良は信じてくれたみたいで、『うーん……』と考えはじめた。


『それって、いつ感じるの?』


「学校にいる間とか、家に帰るときとか……」


『どんな感じで見てると思うの?』


「なんか私の背中を強く睨みつけるような感じで、背中が寒くなる……」


腕をさすりながら由良の問いかけに答えると、由良が突然黙り込んだ。


由良……?


どうして黙ったのかわからなくて、首をかしげる。


「……由良?」


『抹里……それってストーカーじゃないの?』