嘘だ。
合コンのときにいた野々村さんと畠さんがいなくなるなんて。
信じられないけど、磐波さんに確認をしてみる。
「う、嘘ですよね? ふたりが行方不明になったって……」
『……はぁ。俺が抹里ちゃんにわざわざそんな嘘をつくと思うか?』
そんな……。
事実だと告げられて、体重を支えていた力が抜け、その場に座り込んでしまう。
『……っ、とにかく俺は今からあいつらを 探そうと思ってるんだけど、抹里ちゃんも一緒に探してくれないか?』
「えっ……」
事実を突きつけられたあとに響いてきた言葉は予想もしていないものだった。
一瞬目を見開いていたが、すぐに我に返る。
でも、私だけじゃなくて……。
「あ、朝丘さんも学校にいるんですけど……彼女も連れてきていいですか?」
おそるおそる聞いてみると、スマホ越しで荒い息が聞こえてきた。
え? 荒い息?
どうしてだろう?
「い、磐波さん……?」
『あ、朝丘若葉……⁉︎ い、嫌だ、彼女だけは絶対に連れてくるな! 考えるだけで……』
いつも落ち着いた口調で話す磐波さんにしてはめずらしく、焦ったような感じの早口で言葉をまくし立てた。
よほど若葉に対して恐怖を抱いているのか。それとも、彼女がそれほど嫌悪感をよみがえらせてしまう存在なのか。
なんて考えていると、再び磐波さんの慌てた声が聞こえた。
『と、とにかく朝丘若葉は絶対に連れてこないで! 抹里ちゃん、そこで待ってて』
私が答えるよりも先に、規則正しい機械音が耳に大きく響いた。
なぜ彼が若葉の名前を聞いただけで焦ったのかはわからないけど、とりあえず私は、磐波さんが学校に来てくれるまで待っていた。
合コンのときにいた野々村さんと畠さんがいなくなるなんて。
信じられないけど、磐波さんに確認をしてみる。
「う、嘘ですよね? ふたりが行方不明になったって……」
『……はぁ。俺が抹里ちゃんにわざわざそんな嘘をつくと思うか?』
そんな……。
事実だと告げられて、体重を支えていた力が抜け、その場に座り込んでしまう。
『……っ、とにかく俺は今からあいつらを 探そうと思ってるんだけど、抹里ちゃんも一緒に探してくれないか?』
「えっ……」
事実を突きつけられたあとに響いてきた言葉は予想もしていないものだった。
一瞬目を見開いていたが、すぐに我に返る。
でも、私だけじゃなくて……。
「あ、朝丘さんも学校にいるんですけど……彼女も連れてきていいですか?」
おそるおそる聞いてみると、スマホ越しで荒い息が聞こえてきた。
え? 荒い息?
どうしてだろう?
「い、磐波さん……?」
『あ、朝丘若葉……⁉︎ い、嫌だ、彼女だけは絶対に連れてくるな! 考えるだけで……』
いつも落ち着いた口調で話す磐波さんにしてはめずらしく、焦ったような感じの早口で言葉をまくし立てた。
よほど若葉に対して恐怖を抱いているのか。それとも、彼女がそれほど嫌悪感をよみがえらせてしまう存在なのか。
なんて考えていると、再び磐波さんの慌てた声が聞こえた。
『と、とにかく朝丘若葉は絶対に連れてこないで! 抹里ちゃん、そこで待ってて』
私が答えるよりも先に、規則正しい機械音が耳に大きく響いた。
なぜ彼が若葉の名前を聞いただけで焦ったのかはわからないけど、とりあえず私は、磐波さんが学校に来てくれるまで待っていた。



