【短】桜の花びらの約束


涙は枯れることなんてなくて、

ただただ、毎日泣いた。

__毎日が、出口のない暗闇だった。


灯りが一つもない、長くて真っ暗なトンネルの中でずっと、

うずくまって泣いているようだった。


__涙は枯れるということを知らず、

毎日、淡々と涙を流す私の横にはいつも

__京ちゃんがいた。



何もしなくなって、

生きる屍になった私にある日京ちゃんは、

「おい!!!!しっかりしろ! 舞!」

「泣いてばっかいるんじゃねえ!」

「お前は誰だ! 瀬田川 舞(せたがわ まい)だろ!!

お前の自慢の両親の娘だろ!!」


「後悔なんかするんじゃねえよ!」

「前をみろ!」

「お前はひとりなんかじゃねえ!

俺がずっと一緒にいるって、約束しただろ!!!!」


そういって、私の手をとって、家を飛び出した。

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家を飛び出して、

京ちゃんに手を引かれながら走って着いた先は、

お父さんたちが眠るお墓。


「...舞が無理に親父さんたちを忘れる必要はねえ。

むしろ忘れんな。大切な人たちだ。

...お前は、まだ未来がある。

呼吸をして、この夕日を見て、今この瞬間もお前の心臓はドクドクと脈をうっている。


...俺が、いつでもそばにいてやる。

だから、もう下を向くな。

俺が、お前の手を引いてやる。 俺と一緒に前を向け。」

そう言った京ちゃんの目は、

少し涙目のようだった。





それ以降、私は打って変わって何にでも本気で取り組むようになった。


また友達と何気ない話をするようになった。

なにそれ~!なんて言って、笑えるようにもなった。


__京ちゃんは、

暗くてさみしいトンネルの中で、あの時、手を伸ばしてくれた。


一緒に歩こう、って

怖くなんかねえよって、

俺がいるからって__



そう言ってくれた。