まず、旧姓が今と同じ神咲だという事に
驚く。


つまりお父さんが名字を神咲に変えたのだ。


普通は女の人が名字を変えるんだと
ばかり思っていた。


そして
その横の名前を食い入るように見つめる。


神咲…魔莉乃。


幾度なく探してきた名前が
小さな汚れたメモ用紙に綴られていたのだ。


それを見て確信する。


…お母さんは、神咲魔莉乃だったんだ…!


調べようと思っていた神咲魔莉乃の
手がかりを思わぬところで掴めた。


「じゃあ澪夜のお母さんが
澪夜の夢で聞こえた名前の…魔莉乃!?」


柚姫も莉香も、あっけらかんとしている。


やはりあの夢はただの夢じゃない……


夢で聞こえた名前が実在していた…
しかもお母さんだった。


それはあの夢が大事な鍵を握っている事。
それと呪いに巻き込まれたという確信
が持てるほどの情報だった。


ということは…媛乃が言っていた


『これから始まるの。覚悟しててね?
…神咲魔莉乃』


とは、お母さん……の血を引き継ぐ私への
メッセージ?


これから始まるとは……


先程体験したような…命を狩ろうとしてる事…?