ガラガラッ
突然の聞こえた何かが落ちるような物音。
梨花の気遣いに顔が綻んでいる矢先、
数メートル離れた場所
仏壇の方から発された音に莉香と一緒に振り向く。
「…きゃ…」
続いて柚姫のか細い悲鳴。
何事かと思い駆け寄ると、原因はすぐにわかった。
仏壇の上に置いてある書類が落下したのだ。
それに合わせてパタリと遺影も倒れてしまった。
「あ、あう…ごめんね…ただ、上になんか置いてあると思って手伸ばしたんだけど…」
申し訳なさそうに謝る柚姫に
こっちが謝りたくなった。
そもそも書類の整理がめんどくさくて
仏壇がたった頃からずっとほったらかしていたのだ。
だから埃まみれの黄ばんだ紙が
はらはらと舞い落ちているのは
他ならぬ私のせいであって…
柚姫は何一つ悪くないから、余計に
肩身が狭い思いだった。
「けほっ…ご、ごめん。生まれてからこれには手つけてなくて…」
埃にむせそうになり、咳き込む私に
莉香がハッと息を呑んだ。
「…生まれた時から!?…なら、この書類にもしかしたらなにかヒントがあるかも!」
