18歳に一昨日なったばかりで
多少浮かれてる私。


私達は高校3年生。


皆と一緒に過ごせるのも
後半年くらいだろう。


残された時間を
めいっぱい過ごすのが私の目標だ。


……この村は
村の外とはあまり関わりがないので


村人のほとんどは仕事をする人を除くと
この村から1歩も出ない。


もちろん私も生まれてからずっと
この村にいる。


折角村を出れば東京なんだから
村を出てみたいとは思うけど…


この村には小さい頃からの仲間もいる。


村人もみんな優しいし、居心地もいい。


だから別にこれといって
不満はないわけだ。


「そういえば…夏休み明け
もうすぐ期末テストね…」


ふと、莉香が口を尖らせ呟く。


今は8月1日。
もう夏休みに入ってほしいくらいの


暑さだけど……


魔莉乃村では少し夏休みに入るのが遅い。


では夏休みはいつからなのかというと…


何故か8月3日からなのだ。


つまり、明後日から。


「あ〜…そうだね…」


軽く溜息をつき重々しく答える。