「……あ」
恢斗の言葉にふと思い出す事があった。
脳内であの夢で媛乃と呼ばれていたと思われる甲高い声の女の子のセリフ…
『これから始まるの。覚悟しててね?
…神咲魔莉乃』
神咲、魔莉乃。
“神咲”
私と同じ名字……!
「そうっ…あのね!あの夢の中で
媛乃って人が…『神咲魔莉乃』って
言ってたの!」
慌てて思い出した事を恢斗達に伝えると、
恢斗は目の色を変えた。
「なんですって?…貴方と同じ名字ですね……貴方の血縁に魔莉乃という方はいますか…?」
魔莉乃、まりの……
必死にその名前を繰り返してみるが
どうしてもピンと来ない。
血縁関係といっても、お母さんは“沙綾(さや)”だし、お父さんも魔莉乃という名前では
ないのだ。
おばあちゃんもおじいちゃんも
他界してるし、そんな名前じゃない。
じゃあ、私と同じ名字なのはただの偶然?
ううん。
偶然にしてはありえない気がする。
私に語りかけたように媛乃は言ったんだ。
神咲魔莉乃って。
多分私に何か関係してるはず…そう直感が訴える。
