「…どうするよ。通れないぞ」
「またハッタリかましますか?」
恢斗の発言にぎょっとする私達。
確かに恢斗のハッタリには
トンネルに侵入した時に
効果を発揮したが
ここでかまされては
それこそバレた時に大惨事だ。
命がかかってるこの状況で
ほかの余計な混乱は避けたい。
「冗談だろ?」
「あたりまえです」
なんだよ…、と脱力する智弘は
普通に笑っていて、
私達が今死と隣り合わせだということを
本当にわかっているのか不思議なくらいだった。
まあ、ずっと気にしていても仕方ないし
今は生きているんだから
やれることをしっかりやらなきゃ。
「ですがいつまでも留まるわけには行かないので行きますよ」
恢斗が校門へ歩き出したので
それについていくと予想通り
「あっこんにちわ~少しお話を…」
「亡くなった方の話を…」
磁石で吸い寄せられたかように
カメラとマイクが集まってきた。
居心地の悪さはトンネルと同じくらいかもしれない。なんて思いながら
失礼な態度かもしれないが
無言を突き通し、無理やり校門から
転がり抜けた。
