深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~



「…媛乃。あなたは悪くない。
許す、とは言えないけど…あなただって
苦しんだはずだから」


「…そうだな。来世では幸せになれよ」


私達の言葉に媛乃は
涙ぐんで可愛く微笑んだ。


『…ありがとう…』


その顔は不気味に歪んでいるわけでも
ましてやおぞましい笑顔でもなくて


優しい、暖かな微笑みだった。


『本当にありがとう。2人とも…
…じゃあ、媛乃。行こっか?』


魔莉乃は莉香と恢斗に
手を合わせる媛乃に


手を差し伸べてにっこりと笑った。


『…うん。魔莉乃ちゃん、大好き』


媛乃がその手を取った瞬間


2人の体は光に包まれ始めた。


「おい、そういえば媛乃。お前のお母さん
…依子さんはどうなったんだ?」


光る媛乃に智弘が声をかけた。


…そういえば。


媛乃を必死に止めていた依子さん。
…媛乃のお母さんはどうなったの?


『お母さんは、ついさっき成仏したと思う。
私達が意思を通わせたのを
見てたと思うから』


「そっか……よかった」


『多分紗希達も成仏したはずよ
……やっと、みんな解放されたの』


媛乃と魔莉乃の言葉に
ほっと息を吐いた。