「なんだかんだ、智弘は
私の親友です。……死なないで下さいね。
澪夜さんを守るんでしょう?」
恢斗はこんな風に笑うんだ。
微笑なら見た事はあるが
こんなに幸せそうに涙を流しながら
笑うところは初めて見た。
智弘はその言葉にまた
ぽろぽろと涙を智弘の手に落として
「当たり前だ!!
お前の分まで…生きるからな!!
お前は俺の親友だ!!」
叫んで力強く恢斗の手を何度も
握る。
「恢斗。……ありがとう。
こんな私を…好きになってくれて…っ」
恢斗は本当に幸せそうに
笑って目を閉じ、口を開いた。
その声は小さく
か弱いけれど
私と智弘の耳と心にしっかりと響いた。
「…未来永劫、あなたを愛しています。
澪夜さん……澪夜。…ずっと私の親友です。……智弘。ありがとう、さようなら」
私が受け止められるものでは無い
熱くて悲しい愛。
するり、と握っていた手から
力が抜けた。
私と智弘は
その手をゆっくりと下ろして
恢斗の両手を胸元に持っていく。
