思えば恢斗とは、高校ではなく中学からの
付き合いだった。
とはいえ、そこまで話した事はなかった
からそんな事思いもしなかった。
些細な事だけど
莉香に指を怪我した時に怒鳴られた時も
仲裁してくれたし…
気を利かせて智弘を私の家に
泊まらせたり。
智弘を泊まらせる時
恢斗はどんな気持ちだったんだろう。
きっと辛かったと思う。
目の前で好きな人が違う人を
好きになっていくんだから。
そんな悲しい気持ちを恢斗は
誰にも言わず1人で抱え込んでいたの…?
「そんな…ごめん…ごめん、恢斗…」
「…なに謝っているんですか?私が…
勝手に好き、になってしまっただけ…です」
考えてみれば恢斗は
いつも私の事を陰ながら助けてくれて
いたのかもしれない。
