不意に言われたその言葉に
顔が赤くなった。
恢斗…?ど、どういう意味…?
涙を流しながらも
笑って私の事をそんな風に評価してくれる
恢斗の意図がわからず
無駄に恥ずかしがってしまう。
だけど、恢斗の体を見て
また危機感を取り戻した。
恢斗の体からはどんどん
血液が失われていく。
口から漏れでる呼吸は浅く
タイムリミットが近づいている事を
表していた。
嫌だよ、恢斗。死なないで…
思わず恢斗の手を強く握って
恢斗の言葉を待った。
…その手はまだ温かかった。
そして恢斗はしばらく黙り込むと
目を細めて
「どういう意味かって…?
……私はね」
その瞳をしっかりと私の方へ向けて
情けなく泣いている私に向かって
囁いた。
死の狭間で、幸せそうに。
「………ずっとあなたの事が
好きだったんですよ、澪夜さん」
