あれ、痛くない…
「……!…!!!」
智弘が何か言ってるけど
どこかぼんやりしていてよく聞こえない。
私、生きてる?
ゆっくりと目を開け……
「……え?」
目の前に私を庇うように
立ちはだかる人物を見て
地面にぺたりと座り込む。
なんで、どうして!?
「……恢斗!?」
「澪夜さん。日記の続きを…」
私と一緒に地面に崩れ落ちたのは
恢斗だった。
体には無数のナイフが刺さっていて
そこから血が弱々しく、だけど大量に
流れていた。
「か、恢斗」
「いいから、日記を読んでください。
媛乃は拒絶反応を示している。
きっと読めば…呪いが…」
こんな時なのに
冷静に血を流して横たわりながら
恢斗は日記を指さしてそう言った。
