「もう嫌。なんでこんな事に…っ」


「足を止めるな!!」


恢斗に怒鳴られハッとした直後
飛んできたナイフが足をかすった。


でも痛いなんて泣いてる暇はない。
莉香がくれたこの命
大切にしないと…!!


必死に走る私達を追うように
媛乃は高笑いを続ける。


『キャハハハハハハハハハハハハ!!』


後ろから聞こえる声は
すぐそこまで迫っている気がして
怖くて仕方がなかった。


「澪夜!!このままじゃキリがない!!
…日記だ!!呪いを、解くんだ!」


「う、うん…ひ、媛乃!!」


智弘に言われ、私は目的を思い出し
震えながら振り返り媛乃の方へ
日記を掲げた。


そうだ。これを読めば、きっと…


お願い。これで呪いが解けますように…!!


媛乃はきょとんと愛くるしい瞳で
日記に興味を示す。


『なぁに?』


「これは…魔莉乃が、あんたに向けて
書いた、日記よ!!!」


途端に歪む媛乃の表情。