…私は莉香の命と引き換えの安全なんて
いらない。いらないの。
『はぁ〜?そんなワケないでしょ!!
バッチリ今から殺してくつもりよ…
キャハハハ!!』
媛乃はそう高笑いをすると
手を前に突き出した。
「な、なに言ってるの!?
だったら莉香は何のために…!!
許せない!!!」
私は莉香の手帳を莉香の冷たくなった
手に握らせて「ごめんね、ありがとう」
と呟いて手を合わせると
媛乃を睨みつけた。
『キャハハハハハハハハハ!!!』
手をかざした媛乃。その手からナイフが
生み出され、私達の方へ飛んでくる。
「澪夜さん、智弘さん、逃げて下さい…!」
私達は弾かれたように走り出す。
媛乃の横をすり抜け
トンネルの奥へ、奥へと。