こうして私は媛乃と“約束”を結んでしまった。
自分の命の為に澪夜の命を奪う事を
選んでしまったのだ。
そんな中澪夜が死んでしまう事の
悲しみより
これでもう私が死ぬ事は無い
なんて自己中心的な安心の方が
大きかった事に
私はなんて最低なやつなんだろう。
そう思った。
媛乃に言われた通りに
私は澪夜との接触を避け続けた。
まず、指を怪我した澪夜を
「真面目にやって」と怒鳴りつけた。
…澪夜は何も悪くないのに。
次に1人じゃ危険だから
また泊まりにきて、と誘ってくれたのに
断った。
…折角気を使ってくれたのに。
本当は行きたかったのに。
だから何とも言えない罪悪感に耐えられず
走って3人から離れた。
その後も澪夜は追ってきた。
この子はどこまで私の事を心配してくれるんだろう。
「力になりたい」
そう言ってくれた澪夜をまた私は拒絶した。
