媛乃が姿を現すという事は
私を、殺そうとしてる?
「来ないで…」
『死にたくない?』
「死にたくないわよぉ!!」
目を瞑り叫ぶ。
…そこから何秒か経っても私をばらばらに
する一撃は飛んでこなかった。
『だったらさ。あんたは殺さないであげるから…神咲澪夜を見捨てて。裏切って!』
「…澪夜を、裏切る……!?」
目を開けると媛乃が浮遊しながら
にたにたと不気味に笑い
止まった澪夜の顔を見下ろしている。
『そう。あんたには今から神咲澪夜との
接触を禁止する。もし仲良くしたり
この事を神咲澪夜に話したりしたら……』
「…!?」
媛乃が消えた。
…そう思った直後
首筋にヒヤッとした感覚が伝わる。
声は背後からした。
『八崎莉香。あんたを殺すから…
キャハッ!」
首筋にはどこから手に入れたのか
ナイフが当てられていて。
媛乃が私の背後に瞬間移動して
こうしてナイフを突きつけているのだと
理解するのに時間がかかった。
