澪夜を、殺、す?
澪夜を
大好きな私の親友を
絶対に殺す?
「…駄目よ!!」
澪夜がいない世界なんて
考えられない。
澪夜はそう思ってないかもしれないけど
私はそう思ってる。
声を張り上げた私に
媛乃は予想通りです、と言いたげに
くすくすと笑う。
『だよねぇ?でも…あたしは
神咲澪夜が…魔莉乃ちゃんが1番憎いの』
「だとしてもそれは澪夜じゃないわ!
澪夜はただ血筋なだけよ!!関係ない!」
『フフッ…そんなに神咲澪夜が
死ぬのが嫌なら…あんたを殺すわ』
「……わ、私を…??」
媛乃のこの一言で空気が凍った気がした。
私が、殺される。
怖い怖い怖い…!!
「や…いや…!!!」
叫んでも誰にも聞こえない。
私はとにかく逃げたい衝動に駆られ
席を立とうとした。
でも。
私の体は椅子に固定されたまま
びくともしない。
『逃げてもムダだよ?あんたはここから動けないんだから』
殺気を感じた。
その瞬間に目の前の空間が乱れ始め
少女の姿を形作った。
この子が、媛乃。
長い黒髪
可愛らしい顔
…そして赤いワンピース
澪夜から聞いた夢に出てきた媛乃の特徴に
そっくりだった。
