『ムダだよ。…あたしが時間を止めたから』
「時間を…!?なに言ってるのよ!?」
もう1度皆の顔をよく見てみる。
1ミリも動かない顔、全くない瞬き、
動かない手……
まさか、本当に時間が…!?
そんな事…非現実的すぎるわ…
信じられない。
でもそれを決定付ける事が起こった。
視線をなんとなく前に向け
私は驚愕した。
……蝶が。
青い蝶が、鱗粉を撒き散らしながら
空中で止まっていた。
「…まさか、本当に」
呟いて周りをよく見渡す。
すると受付の人がカウンターから
立ち上がった所でそのまま停止している。
やはり、時間が止まってるんだ…!!
確証し、周りの光景を
呆然と見渡す。
驚いたままの私に
媛乃がまた声をかけた。
『ねぇ…あんた、神咲澪夜の親友、だよねぇ…??』
澪夜。
停止したままの澪夜を
見て、私は媛乃に言葉を返した。
「当たり前よ」
私と澪夜は小学校からずっと一緒だった。
澪夜はどう思っているかわからないけど
私にとっては1番の親友だ。
