深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~



「澪夜……ごめんね、
ありがとう」


私の涙をぬぐってくれていた
莉香の手が。


「大好き、よ…」


するりと、地に落ちた。


「り、か?」


返事はない。


莉香は閉ざされた目から一筋の涙を
流し、笑顔のまま動かなくなった。


「や……い、いやぁぁあぁぁぁぁぁ!!!」


その亡骸に抱きついて
血にまみれた莉香の服をさらに涙で汚す。


「莉香さん……」


「…澪夜、やるべき事があるはずだ」


黙って見ていたふたりが
私のもとへ歩いてきて


恢斗は莉香に向かって手を合わせ


智弘は私の肩を掴み
目を合わせると口を開いた。


「手帳だ。…莉香の想いを、
真意を知らないと」


「手帳……」


私の手にはさっき莉香から
受け取った花柄の手帳。


莉香は、莉香は本当に、もう……


「莉香…なんで、なんでぇ…」


涙が止まらなくて
柚姫の時みたいに力が抜けて
動けなくなる。


…このまま私も死にたい。
柚姫と莉香に会いたいよ……


「手帳を読めば理由がわかる!!
澪夜、前に進め」