「あなたについた嘘…それに
媛乃との、約束……全部、これに
書いて…あるわ」
小さなショルダーバックから
莉香が取り出したのは
花柄の小さな手帳だった。
「酷い事言って…傷つけて…
ごめんなさい…」
「莉香…そんなお別れみたいなことっ…
言わないでよぉっ!!」
手帳を受け取り私は
また叫ぶ。
いくら懇願しても
いくら涙を流しても
流れる莉香の血の量は減ることはなくて
どんどん莉香の体から命が消えていくのが
わかった。
「澪夜、泣かないでよ…これから
媛乃の呪いを、解くんでしょう?」
「なんで…?誰も死なずに、皆で
呪いを解こうって言ったのに!!」
莉香がいなくなる?
…そんなの考えた事もない。
考えただけで、恐ろしすぎて。
小学校の頃から
常に隣にいた莉香。
どんな悩みもどんなくだらない話も
笑いながら真剣に聞いてくれた莉香。
私は莉香のいない世界なんて
考えられない。
