「待って!!ねぇ莉香、何の事!?
私を守るって…約束って…なに!?」
莉香は黙って繋いでいた手を
解いて何も言わずに、ただ笑った。
「なんとか言ってよ、莉香…!!」
脳が危険信号を発信していた。
嫌な予感がする。
莉香…お願いだから、ちゃんと話して…!
『きゃはははっ!!!
…じゃ、バイバーーーーイ』
媛乃はそう言い放つと
莉香の方へ手のひらを向けた。
その、途端。
ぐらりと莉香の体が斜めに傾いた。
「莉香…!?」
そのまま静かに倒れる莉香の体。
『時間は残してアゲル…感謝してね?』
慌てて駆け寄ってはっとした。
莉香の胸元に、穴が空いていた。
そこから流れる何度も見た
大量の赤い血。
「や、やだ…莉香……」
莉香は薄く目を開くと
私の方を見て薄くなったピンク色の
唇を震わせて声を紡ぐ。
「澪夜…ごめんね」
