深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~



今の私達ならきっと
呪いなんて簡単に解けるはず。


「…媛乃…出てきて…!!」


魔莉乃の日記をしっかりと腕に抱き
媛乃に呼びかける。


恢斗達も私の周りで
媛乃が現れるのを静かに待っていた。


変化は、すぐに起きた。


冷たいはずの空間が
さらに冷たく、怨念で重く染まる。


「……」


ぎゅっと莉香の手を握る力を強めて
恐怖に負けないように強く、
前を見据える。


ぞわぞわと寒気が襲う。


「…来る…!!」


感覚でわかった。


鳥肌のたった肌がそれを伝えていた。


目の前の空間が揺れ始め
そこからひとりの少女が現れた。


可愛らしい顔立ちに
華奢な体。


そして、赤いワンピース。


滲み出る憎しみや怨念が
異様さを際立たせている。


少女の顔はおぞましく
歪み、笑みを浮かべていた。


『きゃはははははははっ!!!
待ってたよぉ…この時を…!!!』


甲高い声。


やっぱりこの子は…


「…媛乃…!!」